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- 下痢
こんな症状をおもちでないですか
- 便がゆるい、水のよう
- おなかが痛い
- 1日に何回も排便をする
- 吐き気がする
- 便に血液が混じる
下痢を起こす代表的な病気
過敏性腸症候群
1)過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、これといった原因はなく、検査をしても腫瘍などの気質的な異常が見つからないのに、下痢や便秘、腹痛などを繰り返す病気です。
先進国で多く、日本人の10~15%に認められるともいわれています。
2)検査
大腸カメラで大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)がないことを確認しましょう。こういう異常がなく下痢、便秘、腹痛などがあれば過敏性腸症候群の可能性があります。
3) 治療
・内服薬(下痢が多い方)
消化管運動改善薬:トリメブチンマレイン酸塩・・・腸管の運動機能を改善し下痢は便秘方向に、便秘は下痢方向へと導きます
神経伝達物質のブロック:ラモセトロン塩酸塩・・・体内のセロトニンという神経伝達物質の働きをブロックし下痢症状を和らげる薬です
漢方薬:消化管の機能をやさしく改善します
桂枝加芍薬湯:代表成分・桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)などの成分が痛みをしずめます
半夏瀉心湯:代表成分・半夏(はんげ)が嘔気をしずめ、黄芩(おうごん)が下痢を緩和します
・食生活の管理
普通のことのようですが、食生活を管理することも重要です
・規則正しい生活を送る
・なるべく時間を決めて食べる
・1日3食食べる
・ファーストフード、インスタント食品ばかり食べない
大腸がん
1) 大腸がんとは
結腸、直腸の粘膜から発生する悪性の腫瘍です。
2)原因
大腸がんの90%はポリープからできると言われています。
また、ポリープのサイズ別にがんの発生頻度を考えると、
・5mm以下 約0.4%
・6〜9mm 約3.3%
・10mm以上 約30%
10mmを超えるとかなりがん化の確率が高くなります。
食事などの影響
・高脂肪食
・加工肉、赤肉
・喫煙、飲酒
・肥満
・運動不足
・家族の病歴
3) 進行度
患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年 より改変
4) 発生部位
直腸とS状結腸に70%発生します
5) ステージによる治療法
・stage0(がんが粘膜まで)、stageⅠ(がんが粘膜下層1mmまで)の早期がんであれば、内視鏡による切除―内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で治療が可能です。
・stageⅠ(がんが粘膜下層の1mmを超える)、stageⅡ(がんが固有筋層を超える)、stageⅢ(リンパ節に転移がある)外科手術が必要です。状況により、手術後に補助化学療法が必要です。
・stageⅣ(肝臓や肺に遠隔転移、腹膜播種(おなかの中にがんがばらまかれている)
遠隔転移、原発巣ともに切除できる場合は外科手術が実施される場合があります。
切除が難しい場合、化学療法が実施されます。
代表的な化学療法として、FOLFOX療法があります。
FOLFOX療法とは以下の組み合わせで行う治療法です。
FOL:フォリン酸(ロイコボリン)
F:フルオロウラシル(5-FU)
OX:オキサリプラチン(エルプラット)
フルオロウラシルとその効果を高めるフォリン酸に白金製剤であるオキサリプラチンという3種類の抗がん剤を使用し、がん細胞のDNAに結合して増殖を抑え、腫瘍を小さくする効果がある多剤併用療法です。
代表的な副作用として、“しびれ”があります。
大腸癌治療ガイドライン 医師用 2022年版.2022年 より作成