ネオアンチゲンを用いたがん免疫細胞治療

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遺伝子とがん

遺伝子とは

遺伝子とは

私たちの身体は37兆個の細胞からできています。
脳、肺、胃腸、骨などの細胞は精密な設計図のもとに作られています。この設計図こそが「遺伝子」です。
ヒトの「遺伝子」は約2万個あり正確に複製されて正しい細胞、臓器が出来上がります。
遺伝子はDNA(Deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)からできています。
DNA構造はヌクレオチドという最小単位から構成されており、さらにヌクレオチドに含まれる塩基にはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種類があり4種のヌクレオチドが存在しています。
2つのヌクレオチドがAとT、GとCが対になるように結合し、2重らせん構造をとりDNAが形成されています。
このDNA上にタンパク質の情報が書き込まれた『遺伝子』の部分(エクソン、エクソームと呼びます)と情報のない遺伝子間領域(イントロン)も存在します。
ですから、4種類の塩基の並び方こそが遺伝子の配列です。
「塩基の配列」=「遺伝子配列」といえます。

ネオアンチゲンを用いたがん免疫細胞治療

* 遺伝子を含む全遺伝情報をひとの“ゲノム”と呼びます。
ゲノムにひとの設計図全てが含まれます。

がんは遺伝子の異常によりできます

がん細胞は遺伝子の変化、異常により発生します。
遺伝子の配列に間違いが生じその結果、設計図にエラーが起こり、予定にはなかったアミノ酸が産生され、アミノ酸がつながり(ペプチド)まちがったタンパク質=細胞ができあがります。これがまさにがん細胞です。
(例)
❶ 正しい遺伝子配列=設計図通りのアミノ酸

(例)❶ 正しい遺伝子配列=設計図通りのアミノ酸

(3つの塩基で1つのアミノ酸が決まります。)
「ロイシン」というアミノ酸ができる。

食事、喫煙、紫外線などにより

❷ まちがった遺伝子配列¬=設計図とちがうアミノ酸 (AがCに置き換わった!)

❷ まちがった遺伝子配列¬=設計図とちがうアミノ酸

「フェニルアラニン」という設計図にないアミノ酸ができ、
このアミノ酸がつながり設計図にないペプチド→タンパク質ができる→ がん細胞ができる。

がんは遺伝子の異常によりできます

このように遺伝子異常により、がん細胞はできますが、同じがんでも、がんの遺伝子の異常は患者さんにより大きく違います。
患者さんにより遺伝子の異常を調べ、治療に結びつけることが、「個別化医療」となります。

ゲノム解析によるネオアンチゲンの同定

—ネオアンチゲンはがんの目印—
同じ種類のがんでもひとそれぞれ遺伝子異常がちがう!
そのがんのプロファイリング=性質を調べ、その方特有の治療につなげる。

① ゲノム解析とは

以前はたくさんのDNAの塩基配列を同時に調べることは困難でしたが、次世代シーケンサー(NGS:Next Generation Sequencing)が開発され、同時に数千から数百万ものゲノムDNAの解析を実施できるようになりました。

② 全エキソーム解析
② 全エキソーム解析

この技術を用いて、DNA上の遺伝子の部分=全エキソーム解析を行います。
患者さんの腫瘍検体と正常組織(血液を使います)のシーケンシングを行い、両者を比較し、がん細胞のみで起こっている遺伝子変異を特定します。

③ RNAシーケンス解析

RNA(Ribonucleic acid:リボ核酸)
DNAの情報がRNAにうつされ、RNAをもとにアミノ酸さらにタンパク質がつくられます。
DNAの情報の中にもRNAにうつされないものがあるので、RNAの変異を調べることで、実際に癌化につながるDNAの異常を特定することができます。

④ がん細胞で発現している変異遺伝子の選択

上記②全シーケンス解析(全遺伝子解析)と③RNAシーケンス解析を比較し、がん細胞における遺伝子変異を特定します。

⑤ ネオアンチゲン予測
⑤ ネオアンチゲン予測

ネオアンチゲンとは、がん免疫治療の標的となる目印です。
がん細胞内で起こった遺伝子異常によってつくられる新たながん抗原のことです。
正常なタンパク質と性質が大きくちがうため、強い免疫反応を引き起こし、がん免疫治療の理想的なターゲットとなります。
解析で得た情報から、ネオアンチゲンを作成します。
ネオアンチゲンを決める条件

  • がん細胞で特定した遺伝子変異を決定します。
  • がん細胞での発現量の多いペプチドを選択します。
  • HLAに強く結合するペプチドを選択します。

リキッドバイオプシー(血液によるがん遺伝子検査)

血液を用いて、診断や治療法の選択、治療効果の予測などを行う方法をリキッドバイオプシーといいます。
がんの組織を入手できない場合でも血液でがんの遺伝子を調べることができます。
リキッドバイオプシーでは針でがんを採取したりする従来の組織生検に比べて体に負担をかけることなく繰り返し行うことができます。また従来の生検ではがんの一部の情報しか得れないのに対して、リキッドバイオプシーでは体全体に存在するがんの情報を把握することができるのも特徴のひとつです。

このリキッドバイオプシーにより、がん免疫治療で使う
ネオアンチゲンを作製することができます。

リキッドバイオプシー
リキッドバイオプシー
メリット

1、 採血(約20cc)だけですむので患者さんの負担が小さい。
2、 病変部位を採取できない場合でも実施できる。
3、 必要なタイミングで繰り返し検査できる。
4、 がんの遺伝子検査を実施でき、ネオアンチゲンを作製し、免疫治療を行える。

生 検
生 検

手術や内視鏡、針などで組織の一部を採取し、顕微鏡で病変について調べること。

デメリット

1、 出血のリスクがある。
2、 患者さんの負担が大きい。
3、 病変の臓器によって入手困難。
4、 病状によって実施できない。

ネオアンチゲンを用いた樹状細胞がん免疫治療

ネオアンチゲンを用いた樹状細胞がん免疫治療

樹状細胞は血液中に存在する体内の免疫の司令塔です。
その働きは、
① がん細胞を貪食(細胞内に取り込む)し、がん細胞をバラバラにして、どんな異常ペプチド(目印)をがん細胞がもっているかを調べます。
② その情報を他の攻撃型免疫細胞(T細胞)に情報を伝えます。
③ がんの情報を受け取ったT細胞はそのがんを攻撃するように性質を変え、攻撃態勢に入り、がん細胞を倒します。
この3つのステップが重要です。

がん遺伝子変異解析を実施し、それにより得た遺伝子異常の情報を用いて、そのがん細胞のオリジナルのがん抗原(ペプチド:ネオアンチゲン)を作成し、樹状細胞に貪食(どんしょくーとりこませること)をさせ、その患者さんだけのオリジナル樹状細胞ワクチンを作成する方法です。

ネオアンチゲンを用いた樹状細胞がん免疫治療

実際の流れ

0) がん細胞をご用意いただく

  • 手術時のがん組織(生きた細胞)
  • 手術後のパラフィン固定標本(病院に保管されてます)
  • 生検検査の標本(生きた細胞またはパラフィン固定標本)
  • #当院より担当医の先生に依頼文をお書きさせていただきます。

1) がんの遺伝子解析を行い、ネオアンチゲン合成する。
(約1〜2ヶ月)

ネオアンチゲン完成の2〜3週間前に、
1)採血   約40〜80cc採血します。

1)採血   約40〜80cc採血します。

2)樹状細胞を増やすー血液中の

2)樹状細胞を増やすー血液中の単球を分離し、IL-14,GM-CSFを加え培養し樹状細胞を増やす樹状細胞とがんの目印であるネオアンチゲンをともに培養し、樹状細胞にネオアンチゲンを貪食させる(取り込ませる)

2)樹状細胞を増やすー血液中の

4)患者さんに点滴する。

3)樹状細胞を点滴できるように精製する。

実際の流れ

4)患者さんに点滴する。

5)体内に入った樹状細胞がリンパ節に移動し、T細胞にがんの情報を伝える。

5)体内に入った樹状細胞がリンパ節に移動し、T細胞にがんの情報を伝える。

代表

06-4867-1923

がん免疫細胞治療 専用ダイヤル

06-4867-1925