- HOME>
- ピロリ菌
ピロリ菌〜胃がんの予防にはまず除菌〜
・人などの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌です。
・幼小児期に、何らかの状況で口から感染します。大人になってからの初感染はほぼありません。
・ピロリ菌の保菌率は年代別で異なり、10〜20歳代では約10%です。50歳以降の⽅の70〜80%がピロリ菌に感染しています。
・日本人全体では、感染率が50%前後、約6000万人がピロリ菌の感染者と報告。
ピロリ菌
ピロリ菌によって起こる病気
胃がん
ピロリ菌を保菌している方の約3%が胃がんとなります。
胃がんとなった方の99%はピロリ菌を保菌しています。
※胃にピロリ菌が感染するとCagAなどの毒素を出し、胃粘膜の遺伝子を変性させ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こします。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍
胃MALTリンパ腫
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
機能性ディスペプシア
ピロリ菌の検査
ピロリ菌の検査が保険適用についてですが、ピロリ菌検査のみでは保険適用となりません。
現行の保険診療のルールでは、初回は胃カメラ検査を行い慢性胃炎、胃潰瘍のある方しかピロリ検査を行うことはできません。
胃カメラを使用する検査
迅速ウレアーゼ試験
内視鏡を使い、組織を一部取り出します。ピロリ菌の持っているウレアーゼという尿素を分解する酵素の活性を利用して調べます。
鏡検法
胃粘膜の組織標本に特殊な染色をしてピロリ菌を顕微鏡で直接見て探します。
培養法
胃粘膜を採取し、それを5~7日培養して判定します。
胃カメラを使用しない検査
抗体検査
ピロリ菌感染後のピロリ菌に対する抗体があるかを血液で調べます。
尿素呼気試験(ピロリ菌の除菌後にする検査です)
容器に息を吹き込んで呼気を調べる方法です。この検査は、患者さまへの身体の負担がほとんどなく、かんたんな検査で、かつ感度も高い検査方法です。
抗原法
糞便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる方法です。
当院では検査方法は、尿素呼気試験、迅速ウレアーゼ試験、抗体検査、抗原検査の4種類を実施しています。上記検査は、迅速ウレアーゼ試験は当日に、その他は3〜5日後には結果が判明します。
ピロリ菌の治療
1種類の「胃酸を抑える薬」と2種類の「抗生剤」の合計3錠を同時に1日2回、7日間服用します。
一次除菌
処方薬と用法
除菌が成功したかどうか
除菌薬服用後4週間以上あけて、“尿素呼気法”という簡単な検査で除菌が成功したかどうかわかります。除菌の成功率は70~80%です。
尿素呼気試験
一次除菌で成功しなければ、2次除菌といって1回目とちがう薬を1週間内服していただきます。
二次除菌
二次除菌ではマクロイド系の薬剤に替えて、メトロニダゾールという薬剤を使います。
2次除菌の成功率は90%です。